Single 『1』+ 変数としての 『n』
空気感染リスクの低減
中庭とか大き目のデッキのある住宅
建築概要
南側ファサードの遠景.眼前に雄大な田園風景が広がる.北側は住宅団地.
秋田県秋田市
木造 2階建
Single
87.63㎡ (26.45坪)
秋田市郊外、南側に水田が広がる敷地に建つ小住宅です。敷地は前面道路から2 メートル弱高くなっており、眼前には広大な田園風景が広がります。
このような敷地に、アトリエを併設するコンパクトな住宅を計画しました。アトリエはギャラリーやオフィスとしても使用可能な多目的なスペースとして考えました。南側に前面道路を持つ敷地ですが、あえて南側には大きく開かず、2 階建ての住宅部分と平屋のアトリエ部分の間に中庭を設け、そこから各室に採光する計画としています。渡り廊下部分は全面ガラスブロックとしており、内部・外部に対して圧迫感のない半透明な壁面を構成しています。中庭は光庭としての機能は勿論の事、住宅全体を一体化するアウターリビングとして重要な空間です。
内部仕上げは、P タイルの床とEP 塗装の壁で統一され、ほぼホワイト一色で仕上げられています。そのため独特の浮遊感を得ることができ、対照的にガラスブロックや木製のデッキが独自の存在感と素材感を放っています。
作品タイトルの『1+n』とは、Sigle Life を表わす『1』と、未知・不定の変数を表わす『n』の組合わせです。変数『n』は、アトリエ・オフィス・ファミリーなど、用途を限定しない多目的なスペースとして、多くの可能性を持ちます。
リビング・ダイニング.ベーシックなスタイルの壁付キッチン.正面はエントランスホールへの引戸.左手は中庭.
リビングから中庭を通して『n』スペースを見る.左手はスチール・チェッカープレート製の階段.
『n』スペース.アトリエ・オフィス・ファミリーなど、用途を限定しない様々なスペースとして考えられる.中庭を介してLDKと繋がる.
エントランス方向から『n』スペースを見返す.床はホワイトのPタイル、壁・天井はホワイトのEP塗装仕上げと、建築全体で内部仕上げが統一されている.
階段上部の2階ワークスペース.2階の仕上げも1階と同じ.造り付けのデスク.
リビング・ダイニングから中庭を見る.
中庭とガラスブロックの通路.
『n』スペースから中庭・通路方向を見る.
『n』スペース水回り.
中庭から2階バルコニーを見上げる.
中庭が青空を切り取る.
2階個室.窓からは田園風景が見える.
2階個室からワークスペース方向を見る.
チェッカープレート製の階段を見下ろす.
2階水回り.浴室の窓からも田園風景が見える.
住宅エントランス.正面は収納.
中庭に面する光溢れるガラスブロックの通路.
南側ファサード.敷地は道路から1.5mほど上がる.
南側ファサード.南側ではあるが開口部は抑えられている.
・視線は入れたくないが光は入れたい。 ・周囲の環境に左右されないように開口部を可能な限り排除した外周にしてほしい。 ・閉じた印象からは想像できないほど開放的な内部。 ・小さく建ててシンプルに暮らしたい。 ・必要なものだけを足していけるような可変性の高い都合の良いつくり。
私が最初の打ち合わせで一成さんにお願いした条件のいくつかです。 自分の頭の中で思い描いているイメージを言葉で上手に伝えることは凄く難しいことで、短い時間できちんと伝わるなんておそらくないだろうと思っていたのですが、やはり一成さんはプロフェッショナルです。一度目のラフプランで私のイメージを見事に具現化してくれていました。
それからは特に大きな変更はなく、私の都合で簡易的な分離発注での工事になりましたので、私自身やることが多く正直大変なこともたくさんありましたが、完成した際は大きな達成感があり工事期間中は忙しくも楽しく充実していたように思います。住んでからも一階にはカーテンやブラインドなど取り付ける必要もなく、 住宅街にいながら人の視線を全く感じないで快適に過ごしています。 見上げると正方形に切り取られた空が、時間ごとに違う表情をしていて まるで自分ひとりだけの空のようで、毎日とても贅沢な気分です。これからも季節が変わるごとにいろんな空を見られるのがとても楽しみです。
一成さん、スタッフの菅原さん小野さんに凄く感謝しています。 ありがとうございました。また機会がありましたら宜しくお願い致します。