耐震断熱改修を施した現代和風住宅
建築概要
リビングから、ダイニング・キッチン方向を見る.右手は+150上がりの和室.構造にも配慮しながらプランニングは大幅に変更し、現在のライフスタイルに合わせたものとなりました.
宮城県仙台市宮城野区
木造 平屋建
夫婦+子供1人
102.68㎡ (31.00坪)
津波が押し寄せた地域からそれほど遠くない場所にある、築11年・床面積31坪の平屋の既存住宅リノベーションです。
プロジェクトは2011年1月から進行してました。3 月に大震災が仙台を襲い、津波で大きな被害を受けた場所から遠くないこともあり、一時はご家族の安否や住宅の存在も危ぶまれましたが、幸い津波は1キロほど手前で止まり、この住宅は大きな被害は免れプロジェクトは再び進行することになりました。
設計内容としては、内部・外部の仕上を一旦ほぼ全面撤去し、大幅に断熱性能を向上させ、耐震性向上のために現行建築基準法に余裕を持って適合させる構造補強も実施しました。最も重要な暮らしに合わせたプランの変更や、自然素材を用いた現代和風のインテリアデザイン等、当社にとっての『性能+デザイン・リノベーション』のモデルケースになりました。
性能データ 改修前Q 値 Q[W/ ㎡ K] 5.035 → 改修後Q 値 Q[W/ ㎡ K] 1.748 改修後C 値 (cm2/m2)1.36 一般診断法による耐震診断総合評価 上部構造評点のうち最小の値 改修前0.56 倒壊する可能性が高い → 改修後2.89 倒壊しない 以上の結果が得られました。
なお、この改修は長期優良住宅先導的事業補助事業・『断熱耐震同時改修プロジェクト』を利用しました。
既存住宅.キッチンとリビングが廊下を挟んで離れているなど、それぞれの居室が細かく間仕切られ、現代的な住宅の間取りとは言い難いプランニングでした.
改修の現場.構造の強化・断熱気密の強化を施しながらプランやデザインも大幅にリモデリングしていきます. 震災後の混乱もあり、資材的にも工期的にも困難を極めました.
南側ファサード.外壁仕上げ、アルミサッシも一新しました.ウリン材のデッキやフェンス、ガーデンもこの住宅に無くてはならない重要なエレメンツです.
ダイニングからリビング・デッキ方向を見返す.壁は珪藻土塗壁、天井は杉板張り.露出している梁は既存梁.
リビングと吹抜け.平屋でありながら高い構造躯体を生かしロフトを設けています.
寝室.既存の梁を露出させた舟形天井.西側にトップライト.
リビングとロフト.
玄関.左手が和室、右手がリビングの入口.
南側道路越しに見る.ルーバー状のフェンスがスクリーンのように見える.
ガーデンと南側ファサード.
リビング コンセプト・イメージ -1
リビング コンセプト・イメージ -2